2011-03-24

倉俣史郎とエットレ・ソットサス展

昨日やっと21_21DESIGN SIGHTで開催されている倉俣史郎とエットレ・ソットサス展を見に行きました。





倉俣氏の作品の展示は、スターピース、割れガラス、エキスパンドメタルの造形、80年代後半にはアクリルとアルマイトを使用した作品へと移行していきます。

時代が進むにつれて素材や表現の仕方も変わっていっています。

工場からでるガラスのくずを混ぜたスターピースや天板に割れガラスを使用したテーブルは、割れたガラスの断面が光をあちこちに屈折させ、見る角度によって平坦なものに凹凸があるように錯覚させます。名前の通り、星のようにきらきらととても綺麗でした。





アクリルを素材とした作品は透明感があり色鮮やかで美しく浮遊感を感じさせます。

倉俣氏は「音色」という言葉が好きだったようです。

空中に浮かぶ色鮮やかな色をそのまま時を止めて封じ込めたような作品は五感に響きます。

彩色されたアクリルが光を浴びて床や壁に映し出された影などにも注目です。



「ミス・ブランチ」も同様にバラの花が重力によって地面に落ちていく瞬間をカメラのシャッター

におさめたみたいに、散りばめたバラの花を椅子のカタチに空間を切り取ったみたいに、重力と見た目の重量をまるで感じさせない軽やかさがあります。

コクヨには世界でただ一つしかないミス・ブランチの初期のプロトタイプがあるようです。

アームの部分が展示のものとは異なっています。





ソットサス氏が最晩年に残したドローイングをもとに、ガラスで制作された「カチナ」。

世界初公開作品で展示には20点が展示されています。

カチナはアメリカインディアンが信仰する精霊のような存在。主に素材とするものは木ですがそれとは違う、ガラスを用いたソットサス氏ならではのカチナたち。

展示説明には、「水のカチナ」「子供のカチナ」「怒りのカチナ」「鉛筆のカチナ」など・・・計7体のカチナがあると書かれていますが、すべての展示物に名前は書いてなかったのでどれがどのカチナなのかなって考えながら見ていくのも楽しみ方の一つかと思います。





生前のインタビューで倉俣氏は、「デザインにおいて、根源的な喜びが機能を超えなければならない。」と話し、
ソットサス氏は、
「人生や生命は知性が軸ではなく、フィーリング(感覚)、タッチ(触覚)などの五感による知覚の方が大きいのだ。」と語ったそうです。

お互いの表現方法は異なれど、機能や生産性利便性を超えて生活に喜びと感動を与えたいと求めた考えは同じだったと感じました。


「倉俣史郎とエットレ・ソットサス」展
夢見る人が、夢見たデザイン
5月8日(日)まで http://www.2121designsight.jp/

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